2016年3月21日月曜日

ぐにやぐにやした内臓がくさりかかつて居るらしい

くさつた蛤

半身は砂のなかにうもれてゐて、
それで居てべろべろ舌を出して居る。
この軟體動物のあたまの上には、
砂利や潮みづが、ざら、ざら、ざら、ざら流れてゐる、
ながれてゐる、
ああ夢のやうにしづかにもながれてゐる。

ながれてゆく砂と砂との隙間から、
蛤はまた舌べろをちらちらと赤くもえいづる、
この蛤は非常に憔悴れてゐるのである。
みればぐにやぐにやした内臓がくさりかかつて居るらしい、
それゆゑ哀しげな晩かたになると、
靑ざめた海岸に坐つてゐて、
ちら、ちら、ちら、ちらとくさつた息をするのですよ。

                萩原朔太郎


会社の敷地の山で
ずいぶん派手に木を切っていると思ったが
安全対策らしい。

惜しいがやむを得ないのか。

キツツキが巣を作ったり
動物が冬籠りしたりするのは
こんなウロなんだろうな。



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