くさつた蛤
半身は砂のなかにうもれてゐて、
それで居てべろべろ舌を出して居る。
この軟體動物のあたまの上には、
砂利や潮みづが、ざら、ざら、ざら、ざら流れてゐる、
ながれてゐる、
ああ夢のやうにしづかにもながれてゐる。
ながれてゆく砂と砂との隙間から、
蛤はまた舌べろをちらちらと赤くもえいづる、
この蛤は非常に憔悴れてゐるのである。
みればぐにやぐにやした内臓がくさりかかつて居るらしい、
それゆゑ哀しげな晩かたになると、
靑ざめた海岸に坐つてゐて、
ちら、ちら、ちら、ちらとくさつた息をするのですよ。
萩原朔太郎
会社の敷地の山で
ずいぶん派手に木を切っていると思ったが
安全対策らしい。
惜しいがやむを得ないのか。
キツツキが巣を作ったり
動物が冬籠りしたりするのは
こんなウロなんだろうな。
0 件のコメント:
コメントを投稿