2016年9月15日木曜日

本と猫と狸と

贈猫
         陸游

裹鹽迎得小狸奴

  塩をお礼にして
  子猫をうちに迎えた


盡護山房萬卷書

  うちの膨大な本を
  ネズミから守ってくれる


慚愧家貧策勳薄


  恥ずかしいけど
  うちは貧しくて
  十分なご褒美はやれない


寒無氈坐食無魚


  寒くてもフェルトの敷物もないし
  ごはんに魚もつけてやれない
          ごめんな。

小狸奴
「子だぬきのヤツ」
ではなく
猫のこと。
子猫ちゃん、といったところか。

ドラえもんが
「タヌキ!」
といわれて怒るシーンはお約束だが
この伝で行けばさだめしドラえもんは
青狸奴
であろう。
タヌキといわれるのも、
あながち故なきこととはいえない。

西遊記で牛魔王(正妻は羅刹女)の愛人の妖怪を撃ち殺すと
その正体は「玉面狸」であった、
とある。
玉面狸が何者であるかはわからないが
これもタヌキではなさそうだ。


陸游も梅堯臣も
猫に本(だけではあるまいが)を鼠害から守らせたという詩を作っている。
唐詩選に猫はみないから
(というか、龍鳳、牛馬以外の動物もあまり見た覚えがないが)
中国では宋になって猫が増えたのだろうか。

そんな感慨はともかく
本を守る猫を作ってみた
(15x15mm)
 

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